メリットその@ 無計画な出産による不幸な命を作らない
|
犬猫は一度に多数の子を出産します(1〜8頭くらい)。特に猫は交尾排卵といって、発情と関係なしに交尾により卵子が排卵され妊娠します。
例えば、のら猫(♀)が4匹(うち2匹が雌)を年2回出産した場合の計算では...

年3回出産や、雌の出生率が高い場合はさらに多くなります。
多頭集団は、ケンカ外傷や、ウイルス性伝染病(猫風邪、エイズ、白血病)、外部寄生虫感染(ノミ、ハジラミ、疥癬ヒゼンダニ)、内部寄生虫感染(消化管寄生虫、原虫)などの病気が流行する危険性が高まります。いったん伝染症が集団に入った場合、最悪なケースではその多くが死に至ることもあります。
飼育環境も含めて、人間が愛情をもって管理できる数には限界がありますので、無計画な出産での多頭化とならないよう、適切な飼育頭数を考えましょう。
メリットそのA 性的活動がなくなり、人社会での生活で飼育しやすくなる
|
尿臭が軽減され、スプレー行為(尿マーキング)の減少、徘徊、縄張り意識の減少(交通事故の遭遇率の減少)とそれに伴う攻撃性の減少(ケンカ外傷、エイズ、その他伝染病の罹患率の減少)が期待されます。また、発情に伴う出血、匂い、泣き声、食ムラなどがなくなり、雄を引き寄せることもなくなります。
不妊・去勢手術後の外見上の性格安定は、性的活動の減少が理由であり、本来の性格が変わるわけではありません。よって、『しつけ』の代わりとはならないため、必要なしつけはきちんと行うことが重要です。また、性格は1歳後半あたりで定着するため、若齢期の生活環境や飼い方は重要です。
性的行動には個体差があり、一般的に手術後約4週間で減少し、約6ヵ月でおさまると言われています。習慣として定着してしまう場合もあります。猫のスプレー行為に対する去勢手術は早期にご相談下さい(生後約6.7ヵ月齢〜)。
子宮卵巣・精巣の摘出によって、生殖器疾患の中でも多く見られる子宮畜膿症や、子宮水腫、子宮内膜炎、子宮腫瘍、卵巣嚢腫、卵巣腫瘍、精巣腫瘍など、生殖器の各所に起こる疾患を回避できます。
また、乳腺腫瘍、膣平滑筋腫、前立腺肥大、肛門周囲腺腫などの性ホルモンに影響を受ける疾患の発生率を低下させます。中でも犬の乳腺腫瘍は、卵巣摘出手術時期によって、初回発情前で0.5%、1回目発情後で8%、2回目発情後で26%と発生率を抑える効果が報告されている。
卵巣嚢腫/子宮水腫 子宮畜膿症 乳腺腫瘍 精巣腫瘍 肛門周囲腺腫
|