木村動物病院

群馬県高崎市吉井町池1369-1
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 不妊・去勢手術をするにあたって

 犬猫は一度に多数の子を出産します。人間が愛情をもって管理できる数には限界があり、無計画な出産による多頭化は、病気の伝染や、時に死亡する命を増やし、飼い主様とその子達にとって辛いことになります。不幸な命を出さないためにも、少しでもこの問題を考えていただけたら幸いです。

 また、不妊・去勢手術には、健康上のメリットや、共に生活する上でのメリットもたくさんあります。すべてを考慮した上で手術をするかどうか決めていただけたら幸いです。
 (※不妊手術は、この場合妊娠できなくする手術を意味します)

 
      
 メリット

 メリットその@ 無計画な出産による不幸な命を作らない

 犬猫は一度に多数の子を出産します(1〜8頭くらい)。特に猫は交尾排卵といって、発情と関係なしに交尾により卵子が排卵され妊娠します。
 例えば、のら猫(♀)が4匹(うち2匹が雌)を年2回出産した場合の計算では...

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 年3回出産や、雌の出生率が高い場合はさらに多くなります。
 多頭集団は、ケンカ外傷や、ウイルス性伝染病(猫風邪、エイズ、白血病)、外部寄生虫感染(ノミ、ハジラミ、疥癬ヒゼンダニ)、内部寄生虫感染(消化管寄生虫、原虫)などの病気が流行する危険性が高まります。いったん伝染症が集団に入った場合、最悪なケースではその多くが死に至ることもあります。
 飼育環境も含めて、人間が愛情をもって管理できる数には限界がありますので、無計画な出産での多頭化とならないよう、適切な飼育頭数を考えましょう。



 メリットそのA 性的活動がなくなり、人社会での生活で飼育しやすくなる

 尿臭が軽減され、スプレー行為(尿マーキング)の減少、徘徊、縄張り意識の減少(交通事故の遭遇率の減少)とそれに伴う攻撃性の減少(ケンカ外傷、エイズ、その他伝染病の罹患率の減少)が期待されます。また、発情に伴う出血、匂い、泣き声、食ムラなどがなくなり、雄を引き寄せることもなくなります。

 不妊・去勢手術後の外見上の性格安定は、性的活動の減少が理由であり、本来の性格が変わるわけではありません。よって、『しつけ』の代わりとはならないため、必要なしつけはきちんと行うことが重要です。また、性格は1歳後半あたりで定着するため、若齢期の生活環境や飼い方は重要です。

 性的行動には個体差があり、一般的に手術後約4週間で減少し、約6ヵ月でおさまると言われています。習慣として定着してしまう場合もあります。猫のスプレー行為に対する去勢手術は早期にご相談下さい(生後約6.7ヵ月齢〜)。



 メリットそのB 生殖器疾患の予防としての効果

 子宮卵巣・精巣の摘出によって、生殖器疾患の中でも多く見られる子宮畜膿症や、子宮水腫、子宮内膜炎、子宮腫瘍、卵巣嚢腫、卵巣腫瘍、精巣腫瘍など、生殖器の各所に起こる疾患を回避できます。

 また、乳腺腫瘍、膣平滑筋腫、前立腺肥大、肛門周囲腺腫などの性ホルモンに影響を受ける疾患の発生率を低下させます。中でも犬の乳腺腫瘍は、卵巣摘出手術時期によって、初回発情前で0.5%、1回目発情後で8%、2回目発情後で26%と発生率を抑える効果が報告されている。
            

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 卵巣嚢腫/子宮水腫   子宮畜膿症      乳腺腫瘍      精巣腫瘍     肛門周囲腺腫


 
      
 デメリット

 全てのケースに当てはまるデメリット 

@ 手術後は子供を授かれない
A 傷跡はわずかですが、それでも手術というだけあって健康な体へメスが入る



 10万分の1程の低確率リスク

@ 麻酔リスク
 手術に際して麻酔は絶対に必要となります。急な血圧低下や発熱など麻酔リスクは多種多様であげればきりがありませんが、全個体に対し少なからずリスクが存在すると考えています。予期せぬ万一の死亡の可能性は人医療でも10万分の1程度とされていますが、医療が日々進歩することで安全性はより高くなってきていきます。

A 薬剤アレルギー
 麻酔薬、抗生剤、鎮痛剤、止血剤などへのアレルギーを言います(薬剤過敏性皮膚炎、注射誘発性肉腫、アレルギーショックなど)。アレルギーの可能性があるものは使用薬剤の変更を行うなど、診療履歴を常々チェックし、個体ごとの対応を熟慮しております。しかしながら不妊去勢手術が最初の診療であるケースも多いのが現状です。

B 糸アレルギー
 手術で糸を使う場面は、摘出する臓器とそこへ流れる大血管を縛って遮断し切断します。また、開いた術創は糸で縫合する必要があります。使用部位や犬種類ごとに対応しておりますが、これらで使用する糸に対してアレルギー(糸反応性肉芽腫)が出る場合があります。糸アレルギーは術後1ヵ月後以降から発症する場合があり、表面ならボコボコ、腹腔内なら腹痛や排尿異常程度でしか症状はなく、違和感を感じる場合は来院をお勧めします。

C 特発的な出血傾向
 麻酔による血液凝固異常などの特異体質的な生体変化が生じることを言います。



 不妊・去勢手術ならではのリスク 

 不妊去勢手術は一般的に認知された短時間手術ということもあり、全身検査が省かれることがほとんどです。潜在疾患(持病)が存在した場合、手術中や手術後にそれらが発現する可能性があります。術中術後は病院スタッフの目と機械モニターで常にチェックと対応を心掛けています。

 例)交通事故で横隔膜が破れていた場合、日常生活で全くの正常でも、開腹手術とともに呼吸困難になるケース。
 例)肝臓の機能不全がある場合、日常生活で全くの正常でも、手術前の絶食絶水で低血糖に陥るケース。
 不妊去勢手術の手術前検査については、病院でも検討中です。より安全に手術を行うために検査を希望される方は遠慮なくご相談下さい。



 
        
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