木村動物病院

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 フィラリア症(犬糸状虫症)

 病気の概要

 フィラリア症は、蚊によって媒介された糸状虫が犬の心臓に寄生心不全をもたらす、命にかかわる病です。虫体やその死骸、または肺動脈血栓により、肺の高血圧症や鬱血性心不全、肺動脈内膜炎、アレルギー性肺炎、糸球体腎炎をおこします。急性フィラリア症では、右心三尖弁に虫体が絡みつくことで重度の循環不全と血管内溶血をおこします。


 症状

 無症状に進行しますが、重度では発咳、運動不耐性、体重減少がおこり、末期では循環不全の腹水による腹囲膨満がおこります。急性フィラリア症では呼吸困難、貧血、血色素尿、虚脱、失神などが表れます。


 治療

 フィラリア症の予防は可能です。症状が表れる前に予防と治療を行います。体内に潜入してくる幼虫を駆虫しながら予防しますが、心臓に入った成虫の駆虫予防は急性フィラリア症の危険性があるため予防薬や予防方法が異なります。必ず病院へ相談のもと、予防を行ってください。(→予防のページへ)
 フィラリアに感染している場合、感染予防をしながら寄生したフィラリアの寿命を待つ方法、フィラリアの免疫と生殖を司るボルバキア(リケッチア)を叩いて寿命を減らす方法、ヒ素化合物によってフィラリア虫体を危険ながらも駆虫していく方法があります。また、フィラリアによってもたらされた心不全、血管炎、肺炎に対する対症治療も重要です。
 急性フィラリア症では、緊急手術になります。心臓内を詰まらせているフィラリアを除去する虫体塞栓除去手術を行います。


 
             

 ケース1: フィラリア子虫

 血液中のフィラリア子虫






 
                    

 ケース2: 重度フィラリア症

 重度のフィラリア症の心不全X線写真。
 右心の拡張(赤色矢印)と主肺動脈拡張(黄色矢印)、肺動脈の拡張蛇行がみられる。



 
                    

 ケース3: 重度フィラリア症

 重度のフィラリア症の心不全エコー写真。
 右心三尖弁部での逆流(左画像)と、肺動脈弁部での逆流(右画像)がみられる。肺高血圧症の併発や、フィラリアによる弁の機械的障害による。

 
             

 ケース4: 末期フィラリア症

 腹水の穿刺抜去時の写真。
 3L血様腹水が貯留していた。




 
                    

 ケース5: 急性フィラリア症

 血色素尿(左写真)。フィラリアによる破壊された赤血球の血色素が尿中に表れている。
 血色素尿および溶血血液(右写真)。高速遠心分離後でも分離されない血色素がみられる。
 即緊急治療が必要になります。

 
                    

 ケース6: 急性フィラリア症(手術)

 手術写真。心臓内で塞栓したフィラリア成虫を外科的に除去している。





 
                    

 ケース7: 急性フィラリア症(手術)

 手術中エコー写真。
 右心房内に詰まっているフィラリア成虫( = 状 )と、フィラリア除去用の器具(白線状物)。(左画像)
 手術後(右画像)。右心房内のフィラリア成虫が全て除去された。

 
                    

 ケース8: フィラリア成虫

 手術後のとれたて(左写真)と、ホルマリン漬け(右写真)。





 
        
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