子宮蓄膿症は、子宮内に膿汁が貯留した急性または慢性化膿性疾患です。外陰部から子宮内に細菌感染が起こることで発症し、子宮内膜の過形成と防御機能の低下がおこる黄体ホルモン期(発情後から2カ月の間)の発症が最も多いとされています。治療が遅れると子宮壊死破裂や、細菌漏出性腹膜炎、多臓器不全により命にかかわる病で、早期診断と早期治療が必要です。
外陰部から血膿〜膿汁の排泄、発情期後も続く陰部からの出血、陰部を気にして舐めるといった症状のほか、元気消失、食欲減退、多飲多尿、脱水、嘔吐、下痢、時に無症状に進行することもあります。
子宮卵巣摘出手術によって、膿んでいる子宮と卵巣をすべて取り去ります。また、細菌感染に対する抗生物質の投与や、脱水症状の補正を行います。抗プロゲステロン製剤による治療もありますが、治療効果と再発の可能性などを考慮すると外科治療が一般的です。
子宮畜膿症は、事前に不妊手術(卵巣子宮全摘出術)をすることで予防することが可能な疾患です。
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