膵炎とは、食物への消化液を分泌する膵臓において発生した炎症性疾患です。膵炎が起こることで、消化液の漏出による自己消化が起こり、局所および全身への傷害に発展します。中程度以上の膵炎では、早期診断と早期かつ濃厚な治療が必要であり、命にかかわる病です。慢性膵炎では線維化と萎縮が起こり、長期的な治療計画が必要となります。
また不適切な食事(高脂肪食、おやつ、揚げ物)が原因の一つとされており、いつもと異なる食事には注意が必要です。
無症状なものから嘔吐下痢、食欲不振、元気消失、腹痛、虚弱化などの症状や、重度膵炎ではおびただしい嘔吐や脱水、腹膜炎による激痛と発熱、さらに併発疾患として胆管の圧迫性閉塞や胆管炎による黄疸、肝障害、播種性血管内凝固(DIC)、多臓器不全などが起こります。
原因治療では、膵臓の細菌感染に対する抗生剤や、膵液の正常な排泄促進剤、悪循環を繰り返す蛋白分解酵素の阻害剤などを使用します。対症治療では、脱水や電解質異常の補正、嘔吐の抑制、必要であれば播種性血管内凝固に対する血漿輸血などを行います。また食事療法として、低脂肪食の長期食事管理を強くお勧めしてます。
「単純な胃腸炎」と「命にかかわる膵炎」との違いは見た目ではほとんどわかりません。見て明らかな重度膵炎へと悪化する前に、翌日も続く食欲不振や繰り返される嘔吐は病院へご相談下さい。
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