消化管異物は、閉塞や通過障害以外にも、消化管を傷つけ、壊死や穿孔によって内容物が漏出し命にかかわる病で即緊急治療が必要です。
おもちゃ、ボール、糸や紐状物、タオル、軍手、棒状のガム、骨や骨型おやつ、竹串、鉄串、糸巻ハム、ソーセージのビニル包装、口紅、髪留め、石、釣り針、包丁、木片、床敷、プラスチック、プラキャップ、キーホルダー、りんご、パン、トウモロコシ芯など、気をつけなければならないものは身の回りに沢山あります。
食道内異物では、持続的な吐き気や、食べたものそのままの吐出、唾液過多、元気消失が起こり、心臓付近の閉塞では虚脱が起こることがあります。胃腸内異物では、持続的嘔吐や、食欲減退、元気消失、腹痛が起こります。また不完全閉塞では、症状が出ないまま命の危険がある場合もあります。
危険性異物の誤食や消化管閉塞は、時間の経過とともに消化管の壊死や穿孔し命への危険率は悪化します。異物の有無と現在位置を特定し、催吐処置、内視鏡、外科手術により一刻も早く異物を取り除かなければなりません。また、通過障害や過度の嘔吐による脱水や電解質不均衡に対して静脈内点滴を行い、摘出後も消化管の炎症や狭窄、誤嚥性肺炎などへの治療も重要です。異物の誤食歴がある子は二度三度誤食を繰り返すことが多いため、その後も再発防止が重要です。
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